
野球漫画の中でも、青春をテーマにしたものは多く、多くのファンから支持されています。そこで今回は、熱血少年たちの青春を描いた野球漫画の人気ランキングTOP10をご紹介します。野球の試合シーンだけでなく、登場人物たちの成長や友情、家族愛など感動的なエピソードが盛りだくさん。是非チェックしてみてください。
第10位『忘却バッテリー』みかわ絵子

中学時代に全国大会で活躍した天才バッテリー・清峰葉流火と要圭。
彼らと対戦した山田太郎は野球を辞める決意をし、野球部のない小手指高校に進学する。
だがそこで出会ったのは、記憶喪失により野球素人となった要と、それにくっついて入学してきた清峰だった。
さらに、かつて清峰-要に心を折られて野球を辞めた天才プレーヤー・藤堂葵と千早瞬平もまた、同じく小手指高校に入学していることが判明。
出会うはずのない場所で出会ってしまった天才たちは、発足したばかりの野球部に入り、再び野球の道を歩み始める。
しかし、彼らにはそれぞれに抱えた悲しい過去があり、それが彼らの心を押し潰していた。
そんな中、小手指高校の野球部は、彼らの才能を発掘し、全国大会で優勝を目指す。
一方で、彼らの過去や人間関係にも様々な問題が起こり、困難な試練が待ち受けていた。
彼らが青春をかけて戦い続ける姿が描かれる『忘却バッテリー』は、感動的なストーリーとリアルな野球シーンで、多くのファンを魅了している。
第9位『ドカベン』水島新司

神奈川県の明訓高校野球部に所属する主人公の「ドカベン」こと山田太郎と、同級生でチームメイトの岩鬼正美、殿馬一人、里中智、微笑三太郎などのライバル達の高校野球での活躍を描いた
『ドカベン』は、当時の野球漫画にあって、配球の読みなどのリアルな野球の描写を盛り込んだことは斬新で、魔球などの超人的・非現実的要素の多かった野球漫画に革命をもたらし、躍動感のある水島独特の画風も手伝って野球漫画の新境地を開拓した。
第8位『ONE OUTS』 甲斐谷忍

1999年のプレーオフシーズン、プロ野球チーム「埼京彩珠リカオンズ」の天才打者・児島弘道は、優勝経験がないことに悩んでいた。そんな中、自主トレーニング中に賭野球「ワンナウト」で無敗を誇るピッチャー・渡久地東亜と出会う。
初めのワンナウト勝負では完敗したが、捨て身の戦法でリベンジのワンナウト勝負に勝利し、リカオンズ優勝を要求する。渡久地は万年Bクラスの弱小球団・リカオンズに入団し、完全出来高制の年俸契約「ワンナウツ契約」を提示する。
しかし、渡久地は類稀なる勝負勘と制球力で億単位の推定年俸を稼ぎ、リカオンズの勝利に貢献していく。一方、チームのオーナー・彩川恒雄は球団売却のために黒字幅を大きくしたいと考え、渡久地の契約を引き受ける。『ワンナウト!!』は、野球漫画としては斬新な出来高制の契約や賭野球を取り入れ、勝負師たちの熱き戦いが描かれている。
第7位『野球狂の詩』水島新司

東京国分寺に本拠地を置く球団東京メッツには、個性溢れる野球選手がひしめいていた。50歳を過ぎてなお現役ピッチャーの岩田鉄五郎を中心に、いずれも負けず劣らずの野球狂たちが、現役プロ野球選手を交えて繰り広げる野球人生。
そして、岩田鉄五郎はドラフト会議で、女子ソフトボールのエース水原勇気を1位指名。水原勇気自身と球団、そして野球規約を盾にするプロ野球界をもくどき落とし、初の女性プロ野球選手を誕生させる。水原勇気は様々な困難を乗り越え、チームメイトにも支えられ、本物の一人前のプロ野球選手に成長していく。
第6位『Rookies』森田まさのり

新人教師・川藤幸一が二子玉川学園高校の野球部顧問に就任する。かつては名門であったが、不祥事により活動停止中であり、不良の集まりと化していた。
しかし、川藤は部員たちの情熱を見抜き、野球の素人であったにもかかわらず再建に乗り出す。最初は馬鹿にされていた不良部員たちも、川藤の熱意に心を打たれ、団結して甲子園を目指す。
逆境に立ち向かいながらも成長し、部員たちは川藤の指導の下、強豪校を倒していく。野球を通じて成長していく彼らの姿が描かれる、感動的な青春ストーリー。
第5位『ダイヤのA』寺嶋裕二

統合により廃校が決まった母校・赤城中学(長野県)の名を残すため野球好きの少年・沢村栄純は同級生たちと共に中学制覇を目指す。
だが、沢村の暴投により一回戦敗退が決まる。その試合をたまたま見に来ていた高校野球の西東京地区名門・青道高校のスカウト高島礼は沢村の持つ天性の素質を見抜き、彼をスポーツ推薦枠で招き入れたいと申し出る。
青道高校を見学に訪れた沢村は天才捕手御幸一也と出会い、地元の仲間たちからも強く後押しされ上京を決意する。
青道に入学した沢村は同じ一年生の降谷暁が投じた球のスピードを目にして度肝を抜かれる。
明るい性格でチームのムードメーカー、そして打者の手元で微妙に変化する“クセ球”(ムービングファストボール)を駆使するサウスポーの沢村。
豪速球を持つがゆえ、まともに受け止められる捕手に恵まれず、「天才・御幸一也なら自分の球を受け止めてくれるかも知れない」と考えて上京した孤高の天才投手・降谷。
二人の存在は、故障明けの三年生投手でエース・丹波光一郎や二年生の川上憲史の心に火を付ける。
第4位『H2』あだち充

中学時代に野球部で活躍したエース国見比呂とスラッガー橘英雄、英雄のガールフレンドである雨宮ひかり、比呂の幼なじみである古賀春華を軸にした野球漫画。
この作品は「H」を冠する2人の野球少年・ヒーローと「2」人のヒロインを中心に展開する。
比呂と英雄は中学野球で地区大会二連覇を果たすが、医師からそれぞれ野球を断念を告げられる。
英雄がひかりとともに野球の名門・明和第一高校へ進学したのに対し、比呂と野田は野球部の無い千川高校に進む。
そこでたまたま参加した野球愛好会で野球の面白さに再び目覚め、千川高校に野球部を作るために奮闘する。
校長の高校野球嫌いを克服するため、明和一との試合に勝利するという無理難題をクリアし、野球部創設が認められる。
比呂と野田は野球愛好会の仲間たちと共に甲子園出場を目指す。
第3位『おおきく振りかぶって』 ひぐちアサ

「群馬県の三星学園野球部でエース投手をやらせてもらっているだけ」と疎まれ、自虐的な性格に陥ってしまった三橋廉は、高校進学後にその暗い思い出を払拭すべく、西浦高校の野球部に入部する。
しかしその野球部は、監督が若い女性であり、新入生ばかり10人で部員不足だった。
そんな中、はからずも三橋はエース投手を任されることになり、捕手の阿部隆也やチームメイトたちと共にチームを引っ張っていく。
夏の大会では、桐青との対戦でチーム全員でピンチをしのぎ、5対4で勝利する。
その後、崎玉や港南との試合も勝ち上がり、ベスト16に進出する。
しかし、美丞大狭山との試合ではスカウティングを受け、苦戦するも11対6で敗退する。
その後、秋季大会地区予選で榛名元希率いる武蔵野第一や千朶高校と対戦し、勝ち進む。
しかし、県大会では相手の猛攻に屈し、7回コールド負けを喫した。
そんな中、チームは「甲子園優勝」を目標に掲げ、新人戦で優勝し、少しずつ成長していく様子が描かれている。

『大きく振りかぶって』は、その緻密な描写力と人物造形、情緒的なストーリー展開により多くのファンを魅了しています。
主人公の三橋優は、小学校時代にピッチャーとして全国制覇を果たした過去を持つが、中学時代には野球から遠ざかってしまう。しかし、中学の最後の大会で再び野球を始め、高校進学後はエースとして甲子園を目指す。周囲の期待やプレッシャーに苦しみながらも、チームメイトたちと共に奮闘する姿が描かれます。
また、三橋優だけでなく、チームメイトや対戦相手の選手たちの心情や過去も丁寧に描かれており、野球を通じた人間ドラマが繰り広げられます。
この作品は、野球に限らず、努力や挫折、友情や家族愛など、人間の喜怒哀楽を描いた作品としても大変魅力的です。また、野球の技術面にも深く踏み込んだ描写があり、野球ファンにはたまらない作品となっています。
第2位『タッチ』あだち充

双子の兄弟である上杉達也と上杉和也、そして幼馴染である浅倉南の三角関係が描かれる物語。
勉強もスポーツも努力を怠らず真剣に取り組む和也に対し、要領はいいがいい加減な達也。しかし、3人は家族同然に育ち、微妙な関係を維持しながら高校進学を迎える。
和也が甲子園に出場する夢を叶えるため、野球部のエースとして活躍していたが、南が異性として意識していたのは達也だった。
和也は南にアプローチし、達也にも恋の戦いから逃げないように促すが、地区予選決勝に向かう途中で交通事故死してしまう。
達也はなりゆきで入部していたボクシング部を辞め、弟に恥じない人間になろうとするが、野球部の中心人物である黒木からエースとして野球部への入部を勧められる。
当初は野球部員に歓迎されず、松平にも反発されるが、達也なりの熱意が部員たちに認められ、バッテリーを組む松平とも信頼関係を深めていく。
そして達也は、和也の夢を代わりに叶えることを強く意識するようになる。

「タッチ」は、家族や友情、そして野球というテーマが織り成す感動的な物語である。双子の上杉兄弟と幼馴染の南の微妙な三角関係が物語の軸となり、和也の突然の死によって生じた空白と、達也の成長というドラマが描かれる。達也は、和也の残した夢を背負い、自分自身が成し遂げることで和也との絆を繋ごうとする姿勢が印象的である。野球部に入部し、周りの選手たちとの関係を築き上げながら、和也の分まで甲子園に行くことを目指す達也の成長に、共感を覚える読者も多いのではないだろうか。また、達也と南の友情や恋愛模様も描かれ、多くの人々の心を打つストーリーとなっている。野球漫画としての熱い展開と同時に、人間ドラマとしての深みも持ち合わせた「タッチ」は、今もなお多くの人々に愛され続けている。
第1位『MAJOR』満田拓也

主人公本田吾郎は、プロ野球選手の父本田茂治と一緒に暮らしていた。
父の死を経験するも野球と父を大切にし、苦境に立ち向かいながら日々努力を積み重ね、野球に打ち込む。
周りの人々に見守られながら、やがてメジャーリーガーを目指すようになる。

MAJORを読んだ感想として、本作は野球を題材にしたスポーツ漫画でありながら、主人公本田吾郎の人生を通して家族愛や友情、成長や挫折、そして野球というスポーツに対する情熱が描かれていると感じました。
特に、本田吾郎の父・本田茂治との関係や、幼馴染の憧れの存在である上杉和也の死など、家族や友情に関する描写には心を打たれました。また、本田吾郎が野球に打ち込む中で、自分自身に対する苦悩や葛藤が描かれており、彼の成長過程に共感し、応援したくなる要素がたくさん詰まっていました。
さらに、野球の試合の描写も非常にリアルで、それぞれの選手たちが持つ個性的な特技や戦術が鮮やかに表現されていました。また、メジャーリーグや日本プロ野球といった現実のプロ野球とのリンクも強く、野球ファンなら必見の作品だと思います。
総じて、MAJORは野球漫画としてだけでなく、人間ドラマとしても非常に魅力的な作品であり、主人公本田吾郎の奮闘を通して、感動的なストーリーが綴られていると感じました。