【ネタバレあり】大奥の感想と評価 | 歴史漫画の傑作のサムネイル画像

こんにちは。今回は、よしながふみさんの歴史漫画「大奥」について、私の感想と評価を書いてみたいと思います。私は、歴史が好きで、特に江戸時代に興味があります。そんな私が、「大奥」を読んでどう感じたのか、どんな魅力があるのか、お伝えしたいと思います。ただし、この記事はネタバレを含みますので、ご注意ください。

大奥とは?

「大奥」とは、男女逆転の江戸時代を舞台に、将軍と大奥の人々の愛憎劇を描いた漫画です。15巻まで発売されており、映画やドラマにもなっています。作者のよしながふみさんは、「きのう何食べた?」や「花のズボラ飯」など、日常系の作品でも有名ですが、「大奥」では、歴史的な事実や資料に基づいて、壮大な物語を展開しています。

作品の特徴とテーマ

「大奥」の最大の特徴は、男女逆転という発想です。この発想は、単なるギミックではなく、作品に深い意味を与えています。男女逆転によって、江戸時代の社会や文化がどのように変化するのか、歴史上の人物や事件がどのように違って見えるのか、ジェンダーや権力に関する問題がどのように浮き彫りになるのかなど、様々な視点から物語を楽しむことができます。

「大奥」のテーマは、「愛」と「生きること」です。登場人物たちは、それぞれに愛する人や愛される人を求めていますが、その愛は決して平穏ではありません。将軍という立場や大奥という環境、政治や社会の変動など、様々な困難や障害が彼らの愛を試します。しかし、彼らは愛を捨てずに生き抜こうとします。その姿は切なくも美しく、感動的です。

あらすじ

「大奥」の物語は、8代将軍・吉宗が没日録を読むことから始まります。没日録とは、大奥総取締・瀧山が残した日記で、3代将軍・家光から始まる大奥の歴史を綴っています。吉宗は没日録を読み進めるうちに、自分の先祖や大奥の女たちがどんな人生を歩んだのか、どんな思いを抱いたのかを知っていきます。

「大奥」では、3代将軍・家光から15代将軍・慶喜までの13人の将軍が登場します。それぞれの将軍には、愛する人や敵対する人がいます。また、それぞれの時代には、政治的な問題や社会的な変化があります。これらの要素が絡み合って、ドラマチックな展開が生まれます。

感想と評価

私は、「大奥」を読んで感動しました。男女逆転という発想は斬新ですが、それだけではなく、登場人物たちの感情や人間関係がとてもリアルに描かれています。特に印象的だったのは、家光と有功編です。家光は将軍として責任感が強く、有功は家光に忠誠を尽くす側用人です。二人は互いに愛し合っていますが、家光は子孫を残すために他の男子と寝所を共にしなければなりません。有功はそれに耐えられずに家光から離れようとしますが、家光は最期まで有功を想っています。この二人の関係は切なくて美しいです。

「大奥」は歴史漫画の傑作だと思います。歴史好きならもちろん楽しめますが、歴史に詳しくなくても楽しめます。登場人物たちの感情や運命に引き込まれます。また、絵も綺麗で、時代背景や風俗も細かく描かれています。私は「大奥」を読んで、江戸時代についてもっと知りたくなりました。

作品の評価と受賞歴

「大奥」は、多くの賞を受賞しています。2009年には第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、2010年には第35回日本漫画家協会賞大賞、2011年には第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しました。また、2012年にはジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞を受賞しました。この賞は、ジェンダーの役割や性差や性別の問題を扱ったSF作品に贈られる国際的な賞で、「大奥」は日本の漫画として初めて受賞しました。

「大奥」は、国内外で高い評価を得ています。雑誌『ダ・ヴィンチ』が発表した2012年の「Book of the Year 2012」では女性誌コミックランキング部門で4位にランクインしました。また、海外でも翻訳されて多くの読者に読まれています。フランスでは「Le Pavillon des hommes」というタイトルで出版されており、「大奥」の世界観やテーマがフランス人の感性にも響いているようです。

他の読者のレビューと感想

「大奥」を読んだ他の読者からも、様々なレビューや感想が寄せられています。以下に、いくつか紹介します。

「歴史考察が素晴らしい。男女逆転という大胆な発想で物語が進んでいくものの、史実として記録に残っている情報を上手く組み合わせており、違和感なく物語が織り成されている。また、本作中の歴史として、男と女の数がおおよそ半々だった時期と女の方が多くなっていた時期とがあるのだが、その推移による登場人物たちの思惑や策略、苦労などが細やかに描かれていて、そういった部分でもとても読み応えがある。」(雌だけど女じゃないさん、漫画ならめちゃコミックより引用)

「最初の10話で止めとけば良かった、、、と後悔するくらい、あとはジェットコースターのような課金地獄へ (笑) 最初の10話はほんのおさわり。次からどんどんギアが上がってストーリーは加速して広がりを見せていきます。初めは男女逆の大奥だなんて、なんと無謀な設定かと思ってなかなか手を出さなかったのですが、いやはや良い意味で裏切られました。本当にこの作者はスゴいですね、「きのう何食べた」の日常感から「大奥」の大局感まで違和感なく描き切る振れ幅。尊敬します。」(匿名希望さん、漫画ならめちゃコミックより引用)

Twitterでの感想

以上のように、「大奥」は多くの読者から高い評価を得ています。私もその一人です。

「大奥」は、歴史に興味がある人や恋愛物語が好きな人におすすめの漫画です。男女逆転の江戸時代を体験してみたいという人も、ぜひ読んでみてください。感動と驚きが待っています。