感動の瞬間が満載!アイシールド21

アメリカンフットボールをテーマにしたスポーツ漫画『アイシールド21』は、様々な感動の瞬間が満載の作品である。主人公・小早川瀬那は、仲間たちとの絆や成長を通じて、自分自身も大きく成長していく。本記事では、アイシールド21で描かれた仲間たちの絆や成長、そして感動的なシーンについて紹介する。

概要

『アイシールド21』は、稲垣理一郎によるアメリカンフットボールをテーマにした少年漫画作品で、村田雄介が作画を担当した。週刊少年ジャンプにて2002年から2009年まで連載され、全333話が発表された。また、この作品を原作としたテレビアニメが2005年から2008年まで長期放映された。2020年12月時点で、累計発行部数は2000万部を突破している。

あらすじ

高校生の小早川瀬那は、泥門高校アメフト部に主務として入部することになり、唯一の取り柄である俊足で選手登録名「アイシールド21」として春大会を戦うことになる。初戦は助っ人を多数借りながらなんとか勝ったものの、次の試合には強豪「王城ホワイトナイツ」に敗れる。しかし、最強のラインバッカーである進に勝ちたいと思い始める。新メンバーも加わり、強化プログラム「死の行軍」で特訓を行い、秋季東京大会を勝ち上がり、そして全国大会決勝(クリスマスボウル)出場を目指す。

泥門高校のプレースタイル

泥門高校は、「とにかく攻撃、守備の時も攻撃」を信条とする超攻撃型チームであり、オフェンスに限れば強豪校と互角に渡り合える攻撃力を誇る。個性的な選手たちの能力を生かし、蛭魔妖一による奇策で自分たちの土俵に引きずり込むことが得意であり、トリックプレーの練習量が本当の強みである。NFLではリスクの少ない攻撃手段が主流であるが、泥門はビッグプレーを狙いにいくことが定番である。アニメ版では弱く描写されることもあるが、原作では強豪校にも匹敵する攻撃力を持つ。

登場人物

小早川瀬那(こばやかわ せな)


主人公の小早川瀬那は、背番号21のランニングバック兼フリーセイフティで、泥門高校1年生。通称「セナ」で、鉄腕アトムのような髪型が特徴的。幼い頃からパシリとして過ごし、まもりに保護されていた過去があるため、人生で孤独を感じていた。しかし、約10年に及ぶパシリの遍歴が彼にとって驚異的な脚力を身に付ける要因となった。泥門高校に入学後、ヒル魔に走りのセンスを見込まれ、アメフト部への強制入部を命じられる。

当初は主務として入部したつもりだったが、彼の策略により選手としても務めさせられてしまった。その脚力が他の運動部に目をつけられる危惧から、選手時は緑色のアイシールドで素顔を隠し、謎のデビルフットボーラー「アイシールド21」と名乗り、泥門デビルバッツのエースとして名を轟かせることになる。

当初は無理矢理プレーさせられたが、進清十郎との勝負で「もう一度フィールドに立ちたい、進に勝ちたい!」と強く思うようになり、真剣に励むようになった。その後、試合を重ねることにより、アメフトの面白さや楽しさに目覚め、ヒル魔に作り上げられたインチキヒーローに対して「強くなるんだ。嘘が本当になるように」と決意する。

彼はRBとしての成長が著しく、いくつかの必殺技を編み出し、ライバルとの切磋琢磨でヴァージョンアップさせることも多い。また、白秋戦ではQBを務め、新時代のQBと呼ばれる存在として活躍した。関東大会では阿含や進というトッププレイヤーとマッチアップし、攻撃性やテクニックを覚醒させ、本物のアイシールド21と認められた。

蛭魔妖一(ひるま よういち)


ヒル魔は泥門デビルバッツのクォーターバック兼ホルダーであり、主将でもある。彼は悪魔的なまでに才知に優れ、泥門高校最凶の外道として知られている。彼は逆立った金髪、尖った耳、大きな口元から鋭い牙のような歯が覗くという容姿を持っており、マシンガンやバズーカ、火炎放射器などの重火器を多数所持している危険人物でもある。また、彼は携帯電話を多数持っており、自身の情報網を駆使して人々の秘密や弱みを収集し、脅迫手帳というリストを作り、それを使って奴隷を作り出す。

彼はアメフトを始めたきっかけは、偶然米軍基地でアメフトの試合を見て興味を持ったことからである。当初は賭けチームの作戦を指揮していたが、その後、麻黄中で栗田に勧誘され、自身もアメフトを始めるようになった。

ヒル魔は、普段は「外道」として知られているが、麻黄十三中時代からの仲間である栗田やムサシとは固い友情に結ばれ、彼らの脅迫ネタは脅迫手帳には載っていない。彼はQBとしての能力が高く、特に作戦立案能力・状況判断能力や情報分析能力はトップクラスにある。攻撃では持ち前の度胸も相まって無数の奇策で対戦相手を翻弄し、守備の際は相手の意図を的確に素早く読み取ってメンバーに指令を出す。彼の投げる精度が高く、風の影響も無視するほどの高速・高回転の鋭いパスは「デビルレーザー弾」と称される。ハンドオフフェイク(ボール渡したフリ)も非常にうまい。しかし、その他の体格や身体能力は決して恵まれたものではない。

栗田良寛(くりた りょうかん)


泥門高校アメフト部の創設メンバーである、センター兼ディフェンスタックルの巨漢、栗田イツキについて。頭の形が栗のようで非常に簡単な絵柄で描かれているが、フィールドに出ると怪力で破壊力を誇る。体中から湯気を噴き出す描写もある。東京都内の高校でのベンチプレス160kgは1位であり、日本国内でも峨王力哉に次ぐ実力を持つ。ヒル魔とムサシとは中学時代からの仲間であり、彼らと共に泥門高校に入学し、チームメイトを増やすために奮闘する。優しい性格で、緊張すると体育倉庫の跳び箱に隠れてしまうが、仲間を守るためには必要な殺意を持っている。また、大食漢で、掛け声は「フンヌラバっ!」である。高校卒業後はムサシとヒル魔と別の道を歩み、炎馬大学でアメフトを続けている。身長195cm、体重145kg。

雷門太郎(らいもん たろう)

雷門太郎(モン太)は、泥門高校の1年生で、WR兼CBを務める。もともとは野球部でキャッチの名手を目指していたが、アメフト部に誘われて入部する。彼は、超人的なキャッチ力を持ち、デスマーチでパスルートを記憶することができる。戦術は感性的で根性だけで目標物を捕らえるタイプだが、勝負ごとに関する嗅覚は鋭く、試合中でも成長を見せる。彼は、セナとは仲が良く、頼れる相棒である。高校卒業後は炎馬大学に進学してアメフトを続けている。彼のあだ名は「モン太」であり、他人が「」「モンキー」と言うと怒るが、しょっちゅう猿のような叫び声をあげたり大好物のバナナを携帯しているため無理もないと言える。

武蔵厳(たけくら げん)

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泥門高校アメフト部のキッカー兼ラインバッカーであるムサシは、荒々しいが飛距離が抜群に良いキックを持ち、佐々木コータローと並び称される高校最強レベルのキッカーである。アメフト部にはヒル魔や栗田と共に入部し、60ヤードマグナムのコードネームがつけられた。全国大会決勝戦でのクリスマスボウルでは嘘を本当にして決勝点を取り、泥門を優勝へ導いた。後に退学して家業を継ぐが、アメフト部の改装や修理などでたびたび泥門高校に訪れている。成績は良いが、音楽は苦手な模様で、ワールドカップでは赤羽やコータローから感動を受けるなど、そのキック力は正当な評価を得ている。泥門高校以降は武蔵工務店を継ぎ、クラブチーム「武蔵工 バベルズ」のメンバーとしてアメフトを続けている。身長177cm、体重77kgで、4月2日生まれ、血液型はA型。

十文字一輝(じゅうもんじ かずき)


泥門高校のアメフト部員であり、不良3人組のリーダー格である。背番号51をつけ、ポジションはタックル兼ディフェンスタックル。栗田に勘違いされてアメフト部に入部させられ、初めはやる気がなかったが、太陽メンバーに負けたことをきっかけに猛特訓を行うようになる。その後、能力を伸ばし関東大会では阿含にも匹敵するほどの成長を遂げた。セナに対して最初はパシリに使っていたが、後に信頼を寄せる仲間となる。黒木と戸叶とは強い絆があり、共に不良時代を過ごした。高校卒業後は最京大学に進学してアメフトを続けている。

黒木浩二(くろき こうじ)


ガード兼ラインバッカーの泥門高校1年生、背番号52のキャラクター。当初はアメフト部に入る気はなかったが、小結に挑発されて入部試験に合格し、アメフトを始める。アメリカ遠征当初は本気ではなかったが、仲間が三人しかいない中頑張っているチームメイトたちの努力に触発され、本格的に取り組むようになる。三兄弟の中ではスピードNo.1で、「スピード&闘争心」と紹介される。ゲームセンターで格ゲー無敗伝説を築いていたゲーマーでもある。高校卒業後は戸叶とともに「武蔵工 バベルズ」のメンバーとしてアメフトを続けている。身長175cm、体重70kg。

戸叶庄三(とがのう しょうぞう)


タックル兼ディフェンスエンドである53番。かつてはセナのパシリとして3人組の一人であったが、小結の挑発に乗り入部テストに合格し、アメフトに打ち込むようになる。彼は、黒木と同じくヒル魔、栗田、武蔵のことを知ってからアメフトに真剣になり、パワーを持っているが、黒木や十文字と比較すると単独での活躍は少ない。しかし、デビルバッツ随一のツッコミ役として定着している。トガは、漫画が大好きで画才もあるが、自分が書く漫画は既存の漫画の二番煎じである。彼は、楊木中学校出身で、高校卒業後は黒木と共に就職し、「武蔵工 バベルズ」としてアメフトを続けている。身長175cm、体重74kgで、10月13日生まれのO型。

小結大吉(こむすび だいきち)


ガード兼ディフェンスエンド、背番号55の栗田の力強さに憧れてアメフト部に入部した熱血少年。口癖は「フゴッ」で、男らしさやパワフルを追求している。特徴的な喋りと書き方をするが、「パワフルな男」には通じる。幸運児であり、ライバル意識を持っているハァハァ3兄弟と共に泥門チビーズを結成。コンプレックスを抱えていたが、対巨深戦で勝利したことで打ち砕き、パワーに自信を持てるようになる。関東大会決勝の白秋戦では、栗田を勇気づける言葉をかけ、普通の言葉でしゃべる。高校WC編では最終試験に落ちたが、ロシア戦に登板する。卒業後は父親の勤める運送会社に入社し、社会人チームでアメフトを続けている。身長150cm、体重64kg。

雪光学(ゆきみつ まなぶ)


泥門デビルバッツのワイドレシーバー16番、身長179cm、体重67kgの高校2年生。学業に専念しており、スポーツは未経験だったが、アイシールドの活躍に憧れアメフト部に入部する。長く補欠だったが、頭脳派選手としての才能があり、戦術に対する理解が早く、作戦帳の暗記も早い。体力面も鍛錬を重ね、対神龍寺戦初得点のタッチダウンを決める。王城戦でも最後の体力を振り絞ってチャンスを作り、QBのキッドと雲水すらもそのプレイに感嘆させる知略の高さを見せた。速選(オプション)ルートと不屈の闘志で東京大会三位決定戦で「眠れる光学兵器」というキャッチフレーズがつけられる。母親から部活を禁じられていたが、就職に有利と吹き込まれアメフト部に入部したことが認められた。名前は「蛍の光」の和訳歌詞から。

瀧夏彦(たき なつひこ)


泥門デビルバッツのタイトエンド(TE)兼ラインバッカー(LB)で、背番号は37です。彼はアメフト界の人気者になるために高校受験しましたが、全て不合格となり、単身渡米してプロテストを受験しようとします。そこで死の行軍の途中で迷子になったセナと出会います。彼はとても目立ちたがり屋で、普通の足し算も分からないほどの超絶バカで、ナルシストな性格も持っています。しかし、本人は至って真剣であり、苦手なものを克服しようとする努力家です。彼の極めて柔軟な肉体は日々行うストレッチの賜物で、タイトエンドというポジションに何でもこなす能力を持っています。彼は未だ経験不足でお調子者ですが、泥門高校に入学してからは、降谷や沢村と共に成長し、投手王国・青道を相手に活躍します。また、彼の笑い方は「アハーハー!」で、ショックを受けると「アリエナイィィィィ!」と落ち込みます。彼はバッド・ウォーカーからの依頼で、映画のアメフト選手役を演じるために渡米してプレイしています。

姉崎まもり(あねざき まもり)


本作のヒロインであり、セナの幼馴染であるクォーターの少女。風紀委員を務める優等生で、デビルバッツのマネージャーとしてチームをサポートする。家事全般に長け、美人でプロポーションも良く、男子からの人気も高い。シュークリームオタクであり、5グラムの重さの違いも見分ける。セナを過保護に思い、アメフトが無理だと思っていたが、彼の成長を見て認め、チームの勝利を願うようになる。ヒル魔とは最初は対立していたが、徐々に協力する場面が増え、彼の隠していた疲労にも気付いたり、手話形式の暗号を理解する仲となる。高校卒業後も最京大学に進学してアメフト部のマネージャーを続けている。身長162cm、体重48kg、11月24日生まれ。

瀧鈴音(たき すずな)


泥門デビルバッツのチアリーダー。彼女はインラインスケートを常に履いており、主人公のセナの1歳下の妹であり、透糸高校に通っている。兄の夏彦を追ってアメリカに渡り、セナと偶然出会う。彼女は行動的で気さくな性格を持ち、チームの盛り上げ役として活躍している。また、セナとの関係は進展しており、彼女は彼の成長を支えるまもりと対照的なヒロインとして描かれている。高校卒業後は炎馬大学に進学し、アメフト部の応援を続けている。彼女の身長は153cm、体重は45kgで、血液型はB型である。

酒奇溝六(さかき どぶろく)

泥門デビルバッツのトレーナー兼スカウトマンである「どぶろく先生」は、かつて王城の監督である庄司軍平とは千石大学のエースコンビとしても活躍し、通り名は「二本刀」と呼ばれていた。彼は酒好きで、世界中の酒をストックしている。かつては麻黄中学の教師としてアメフトを教え、その後ヒル魔が入部したことで再びアメフト活動を再開し、自身も教師として復職した。彼は泥門高校の用務員職に就き、ヒル魔によって給料は全額アメフト部に振り込まれることになってしまった。彼は金遣いが荒く、まとまった金が手に入ると後先考えずすぐに使ってしまう。また、彼はアメフト選手のスカウトマンでもあり、セナにクロスオーバー・ステップの極意を教えた。彼は試合中は何もできないということで、「トレーナー」としての仕事があるが、試合前には賭け事をし、神龍寺戦で1億7000万円をゲットし、「フゴー(富豪)!!」と言って倒れこむが、その後白秋対太陽戦で敗れ、「ハサーン(破産)!!」と言って倒れた。

マスコット

ケルベロス


タダ飯が食える凶暴な野良犬だが人間に近づき、ナイフとフォークを持って華麗な直立二足歩行をしたり、日本語を話したりする。噛み付く力やキック力は強く、セナやモン太たちに平気で噛み付く。体力も驚異的で、トゲ付きの首輪は武器になる。ヒル魔と組んで最京大学に行くことになった。また、弱っているふりをすることで犬達からエサを横取りしている。しかし、試合中には応援したりチームをサポートする姿も見られる。

ブタブロス


泥門高校体育祭(アニメでは巨深戦)前に小結を探していた意識朦朧の子豚が、どぶろくに連れて来られた。泥門女性陣にかわいがられている「ブタ弟(ブロス)」は、ケルベロスに食べられそうになったことから、自分を太らせてから食べる提案で回避し、「ブタブロちゃん」と名付けられる。空腹時のケルベロスから逃げる時のみ40ヤード走1秒4という超速の足を持っている。ケルベロスがヒル魔と共に最京大学に行った後は、泥門デビルバッツの部室で悠々自適の生活を送っている。

デビルバット


「デビルバッツ」のマスコットである。赤い蝙蝠の姿をしており、口から炎を吐き、目から怪光線を出す。作中では解説担当として活躍し、アドバルーンやコンピュータウイルス、秘密調査員など様々な役割を担っている。実在する生物ではないが、蛭魔妖一に酷似しているため、極悪、鬼畜、外道と認識されている。口癖は「YA–HA–!!」で、ヒル魔自身も謎めいた存在であり、調査員として読者による奇想天外な調査依頼にツッコミを入れている。

アイシールド21読んだレビュー

クマ父クマ父

「アイシールド21」は、スポーツ漫画の中でも非常に熱く、読んでいると胸が熱くなる作品です。主人公陣が所属する泥門デビルバッツをはじめ、王城ホワイトナイツ、西部ワイルドガンマンズ、巨深ポセイドン、神龍寺ナーガ、帝黒アレキサンダーズなど、どのチームも個性的で好きです。スポーツ漫画であるため、「悪役」というものが存在しないことが魅力の一つです。それぞれが必死に戦い、パッと見は完璧に見えても、悩みや弱点を抱え、自分が最強であると信じ、自分の才能の限界を知りながらも、諦めずに頂点を目指し戦い続ける姿に、勝負の世界の熱い、汗と涙と涙と勝利と栄光の世界が感じられます。

この漫画には、どのキャラクターも非常に魅力的で、その「漫画的」な部分も大好きです。大袈裟な演出や、大逆転勝利の無茶な展開に「すげー! かっけー!!」と熱狂することがあります。また、現実には絶対あり得ないようなキャラクターデザインも魅力の一つで、小結の身長や、鋭いヒル魔と丸い栗田が同じコマにいることなど、見ているだけで楽しくなってきます。絵も非常に良く、表情や動きの表現も素晴らしいです。そして、女の子たちもかわいく描かれているのが嬉しいところです。

物語の終盤、主人公たちが大学生や社会人となって別々のチームに分かれる場面では、どのチームも大好きだったため、何とも物悲しい気持ちになりました。しかし、どこまでも戦い続けるというテーマが貫かれていたため、納得できる結末だったと思います。

全巻を読み終えた感想としては、「アイシールド21」は非常に面白かったです。