【レビュー】「ゴールデンカムイ」は歴史×アクション×コメディ×グルメの漫画!のサムネイル画像

今回は、野田サトル先生による大人気歴史アクション漫画「ゴールデンカムイ」を紹介します。この漫画は、明治末期の北海道と樺太を舞台に、アイヌが隠した巨大な金塊をめぐるサバイバルバトルを描いた作品です。2022年4月に連載完結し、全31巻でシリーズ累計2400万部突破という大ヒットを記録しました。また、2018年からテレビアニメ化もされており、現在第四期が放送中です。

ゴールデンカムイとは?

あらすじ

日露戦争で活躍した元陸軍兵の杉元佐一は、幼馴染の梅子の眼病の治療費を得るため、北海道で砂金を採っていました。そこで彼は、アイヌが秘蔵していた金塊の噂を聞きます。その金塊は、アイヌの英雄・ウイルクが日本政府から奪ったもので、その在処は彼の仲間に刺青として彫られていたというのです。しかし、その仲間たちは網走監獄に収監されており、刺青人皮を集めることができませんでした。そこでウイルクは、刺青人皮を持つ囚人たちを脱獄させ、金塊の隠し場所を伝える計画を立てます。

杉元は梅子の治療費分の金塊を得ることと、残りの金塊をアイヌの手に戻すことを目的に、アイヌの少女・アシㇼパと行動を共にします。アシㇼパはウイルクの娘であり、彼が殺されたと思っていました。杉元とアシㇼパは、刺青人皮を持つ囚人たちやそれを狙う者たちと次々に出会いながら、金塊へと近づいていきます。

登場人物

  • 杉元佐一(すぎもと さいち):主人公。「不死身」と呼ばれるほど強靭な肉体と驚異的な回復力を持つ元陸軍兵。日露戦争で活躍したが、その後は北海道で砂金採りをしていた。幼馴染の梅子が眼病で失明する危機にあるため、彼女の治療費を得るために金塊を探している。動物や植物に詳しく、サバイバルに必要な知識や技術を持っている。正義感が強く、アイヌの人々や仲間たちと協力する。
  • アシㇼパ(あしㇼぱ):ヒロイン。アイヌ族の少女で、ウイルクの娘。ウイルクはアイヌの英雄であり、日本政府から金塊を奪った人物だが、彼は殺されたと思われていた。アシㇼパは「ムコロマ」と呼ばれる霊能力者であり、動物や自然の声を聞くことができる。父親の仇討ちと金塊の返還を目指しており、杉元と行動を共にする。アイヌの言葉や文化に精通しており、料理や薬草などにも詳しい。明るく素直な性格であり、杉元や仲間たちと仲良くなる。
  • 白石由竹(しらいし よしたけ):杉元の仲間。刺青人皮の一枚を持つ元囚人で、「脱獄王」と呼ばれるほど脱獄のプロ。金塊を手に入れるために杉元と行動を共にするが、その一方で裏切りや嘘も平気で使う。機転や話術に長けており、困難な状況でも切り抜けることができる。しかし、時々失敗したり、騙されたりすることもある。コミカルなリアクションで笑いを誘うことも多い。
  • 鶴見篤四郎(つるみ あつしろう):杉元の敵。陸軍第七師団の情報将校で、「北海道征服計画」の中心人物。金塊を軍資金として北海道を支配しようと目論む。冷酷で残忍な性格であり、部下や囚人たちを利用する。情報収集や戦略に優れており、杉元たちの行動を常に監視している。また、自らも戦闘に参加することがあり、その際は特殊な眼鏡をかけて敵を狙う。
  • 土方歳三(ひじかた としぞう):杉元の敵。新選組の副長として戊辰戦争で活躍したが、死んだと思われていた。刺青人皮の一枚を持つ元囚人で、「蝦夷共和国」の再興を目指して金塊を追っている。新選組時代から変わらぬ剣術や銃撃の腕前を持ち、多くの敵を倒す。また、カリスマ性も高く、自分に従う者たちを率いている。
  • キロランケ(きろらんけ):杉元の仲間だったが、実はウイルクの仲間であり、裏切ったアイヌ族。ウイルクと一緒に日本に来たという。金塊よりもウイルクの理想を重視しており、彼の死後はアシㇼパを連れ去る。身体能力や戦闘技術が高く、風を操る能力も持つ。

ゴールデンカムイの魅力

歴史的背景とアイヌ文化

「ゴールデンカムイ」は、明治末期の北海道と樺太を舞台にしています。この時代は、日露戦争が終わり、日本政府が北方領土の開拓やアイヌ民族の同化政策を進めていました。作中では、この歴史的背景に基づいて、様々な人物や出来事が登場します。例えば、日露戦争で活躍した兵士たちや、ロシアから逃れてきたパルチザンたちやウイルタ族などです。

また、「ゴールデンカムイ」は、アイヌ文化にも深く触れています。アイヌは北海道や樺太などに住む先住民族であり、独自の言語や宗教、習俗、芸能などを持っています。作中では、アイヌの言葉や神話、生活様式、料理などが細かく描かれており、読者はアイヌ文化に触れることができます。また、アイヌは日本政府や他民族から差別や迫害を受けてきた歴史もありますが、「ゴールデンカムイ」ではその側面も正直に描かれています。

サバイバルバトル

「ゴールデンカムイ」は、金塊をめぐるサバイバルバトルを描いた作品です。金塊を手に入れるためには、刺青人皮を持つ囚人たちやそれを狙う者たちと戦わなければなりません。作中では、銃撃戦や格闘戦、罠や爆弾など、様々な戦闘シーンが展開されます。登場人物たちはそれぞれに個性的な戦闘スタイルや武器を持っており、読者はその緊迫感やスリルに引き込まれます。

また、「ゴールデンカムイ」は、北海道や樺太という厳しい自然環境の中でのサバイバルも描いています。登場人物たちは、寒さや飢えや病気などにも立ち向かわなければなりません。作中では、動物や植物の知識や利用法、料理や薬草など、サバイバルに役立つ情報も紹介されており、読者はその知識にも興味を持ちます。

コメディとグルメ

「ゴールデンカムイ」は、歴史やアクションだけでなく、コメディやグルメの要素も豊富に含んでいます。作中では、登場人物たちの個性的な言動や表情、ギャグやパロディなどが多く見られます。特に白石は、そのトラブルメーカーぶりやコミカルなリアクションで笑いを誘います。

「ゴールデンカムイ」は、北海道や樺太の食文化にも触れています。作中では、アイヌ料理やロシア料理、珍しい動物の肉などが登場し、登場人物たちがそれらを食べるシーンが描かれます。登場人物たちは、食べ物の美味しさに感動したり、驚いたり、嫌がったりします。読者はその食べ物の説明やレシピにも興味を持ちます。

ゴールデンカムイの評価

良かった点

  • 歴史的背景とアイヌ文化に基づいて作られた世界観が魅力的である。
  • 金塊をめぐるサバイバルバトルが緊迫感とスリルに満ちている。
  • 登場人物たちが個性的で魅力的である。
  • コメディとグルメの要素が作品に明るさと楽しさを与えている。

悪かった点

  • 暴力的な描写やグロテスクな表現が多く、苦手な人には不快感を与える可能性がある。
  • 刺青人皮の暗号の解き方が難解であり、読者には分かりにくい部分がある。
  • 連載期間が長く、話数が多いため、途中で読むのをやめてしまう人もいるかもしれない。

おすすめ度

★★★★☆(4/5)

「ゴールデンカムイ」は、明治末期の北海道と樺太を舞台にした金塊争奪戦を描いた歴史アクション漫画です。歴史的背景とアイヌ文化に基づいた世界観、緊迫感とスリルに満ちたサバイバルバトル、個性的で魅力的な登場人物たち、明るさと楽しさを与えるコメディとグルメの要素など、多くの魅力が詰まった作品です。暴力的な描写やグロテスクな表現が苦手な人や、刺青人皮の暗号の解き方が分かりにくい人には不向きかもしれませんが、それ以外の人にはおすすめできる漫画です。ぜひこの漫画を読んでみてください!

まとめ


「ゴールデンカムイ」は、明治末期の北海道と樺太を舞台にした金塊争奪戦を描いた歴史アクション漫画です。歴史的背景とアイヌ文化に基づいた世界観、緊迫感とスリルに満ちたサバイバルバトル、個性的で魅力的な登場人物たち、明るさと楽しさを与えるコメディとグルメの要素など、多くの魅力が詰まった作品です。暴力的な描写やグロテスクな表現が苦手な人や、刺青人皮の暗号の解き方が分かりにくい人には不向きかもしれませんが、それ以外の人にはおすすめできる漫画です。ぜひこの漫画を読んでみてください!

以上が、「ゴールデンカムイ」の漫画レビュー記事でした。この記事があなたの漫画選びの参考になれば幸いです。それでは、また次回!

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