
今回は、クライムサスペンスの金字塔とも言える『マイホームヒーロー』について、あらすじと感想を書いてみたいと思います。
この漫画は、平凡なサラリーマンが娘を守るために犯罪組織と対決していくというストーリーですが、その展開は予想を超える衝撃とスリルに満ちています。推理小説オタクの主人公が、自分の知識と工夫で危機を乗り越えていく様は、読者の心を掴んで離しません。サスペンス好きなら絶対に読むべき作品だと思います。最後まで目が離せない展開と、人間の心理や社会の闇を描いた作品に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
- 『マイホームヒーロー』のあらすじ
- 『マイホームヒーロー』の登場人物
- 『マイホームヒーロー』の特徴
- 『マイホームヒーロー』の感想
- 『マイホームヒーロー』のまとめ
『マイホームヒーロー』とは
『マイホームヒーロー』は、山川直輝(原作)、朝基まさし(作画)による日本の漫画です。『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて、2017年26号より連載中です。2023年4月現在で既刊20巻が発売されており、累計部数は275万部を突破しています。
ジャンルはクライム・サスペンスで、主人公の鳥栖哲雄は平凡なサラリーマンですが、趣味で推理小説を書いており、殺人トリックや殺害方法に詳しいです。ある日、娘の彼氏が半グレ(反社会的勢力)のメンバーであり、娘に暴力を振るっていることを知ります。娘を守るために彼氏を殺害した哲雄は、半グレから命を狙われることになります。哲雄は自分の知識と工夫で半グレと対決していくことになりますが、その過程でさまざまな事件や陰謀に巻き込まれていきます。
あらすじ
主人公の鳥栖哲雄は平凡なサラリーマンですが、趣味で推理小説を書いており、殺人トリックや殺害方法に詳しいです。ある日、一人暮らし中の大学生の娘 零花 に久しぶりに会った際、顔に暴力の痕跡を見つけます。暴力を否定した零花と別れた直後に、路上でガラの悪い若者の集団と遭遇します。彼らの会話の内容から、そのうちの一人が娘の彼氏であるらしいこと、また暴力を振るったことも聞き取れたため、尾行し確かめようとしますが仲間に見つかり痛めつけられます。
そのため翌日、会社を休んで娘のマンションで手がかりを探していた所、娘の彼氏・麻取延人が訪ねてきます。とっさにクローゼットに隠れて電話を盗み聞きしているうちに、妻の実家の財産を奪い取るために零花に近づいたこと、過去に二人の女性を殺害していることなどが分かり愕然とします。さらに自分が尾行されていたことを知らされ、それが零花の差し金であると勘違いした男は「零花も殺す」と電話相手に喚きだします。哲雄は娘を守るため、この男を殺すことを衝動的に決意、不意を突いて急襲し撲殺します。
哲雄は、偶然部屋を訪ねてきた妻 歌仙 と共に、推理小説で培った持ち前の知識で死体をバスルームで処理して証拠隠滅を図ろうとします。しかし、撲殺した麻取延人は犯罪組織(半グレ)のメンバーで、かつ、組織上層部の凄腕の詐欺師 麻取義辰 の息子であったことから、徹底した行方探しが始まります。半グレたちは延人の失踪の前後状況から哲雄を疑い、自宅を徹底マークするだけでなく盗聴器を仕掛け、さらには拉致して尋問を交えながら追い詰めていきます。歌仙と零花を守るため偽証を続ける哲雄に、半グレ実行部隊のリーダー格の青年 間島恭一 は、「一週間以内に延人を発見できなければ殺す」と脅迫します。
反社会的勢力の闇の世界に堕ちていきながらも、緻密に筋書きを作りあげ、恭一を騙し逃れようとする哲雄……。サラリーマンと半グレ、命がけの駆け引きが幕を開けます。
登場人物
- 鳥栖哲雄(とりす てつお):主人公。平凡なサラリーマンだが、趣味で推理小説を書いており、殺人トリックや殺害方法に詳しい。娘の彼氏が半グレだったことから事件に巻き込まれる。
- 鳥栖歌仙(とりす かせん):哲雄の妻。元カルト教団員であり、教祖の娘でもある。哲雄と結婚してからは普通の主婦として暮らしていたが、事件に巻き込まれることで過去の記憶が蘇る。
- 鳥栖零花(とりす れいか):哲雄と歌仙の娘。大学生で一人暮らしをしている。半グレの彼氏に暴力を受けていたことがきっかけで事件に関わる。警察に採用されて刑事になる。
- 麻取延人(あさとり のぶと):零花の彼氏だった半グレのメンバー。哲雄に殺害される。半グレのボスである麻取義辰の息子だった。
- 麻取義辰(あさとり よしのぶ):半グレのボスであり、詐欺師でもある。延人の父親。哲雄に息子の死体を探すように命じるが、自身も死亡する。
- 間島恭一(まじま きょういち):半グレの実行部隊のリーダー格。哲雄を疑い、執拗に追い詰める。哲雄によって延人殺害の犯人に仕立て上げられ、自首する。
- 窪(くぼ):半グレの実行部隊のメンバーであり、元傭兵。殺人マシーンと呼ばれるほどの凄腕の暗殺者。カルト教団を壊滅させた後、海外に逃亡する。
- 紫楽来杉山(しらき すぎやま):謎の占い師。零花に時折現れては未来を暗示する。実はカルト教団の関係者であり、歌仙の異母兄弟でもある。
- 石井信(いしい まこと):半グレのメンバーであり、大学生に成りすましたスパイ。零花に近づき、新潟に誘うが、窪に殺害される。
- 小沢謙信(おざわ けんしん):高校生であり、哲雄の小説ファン。バイト仲間として零花に接触し、事件に関わる。推理小説好きであり、哲雄を助けることもある。
- 安元浩司(やすもと こうじ):刑事であり、哲雄の旧知。事件を追ううちに哲雄が犯人だと気付くが、友情から見逃そうとする。
- 鳥栖郷一郎(とりす ごういちろう):歌仙の父親であり、カルト教団の教祖。歌仙を近親相姦しようとするが、哲雄に殺害される。
- 鳥栖洋二(とりす ようじ):郷一郎の息子であり、歌仙の異母兄弟。カルト教団の幹部であり、村の汚れ仕事を担当する。窪に殺害される。
- 鳥栖明(とりす あきら):哲雄と歌仙の息子。事件から7年後に誕生する。
『マイホームヒーロー』の特徴
『マイホームヒーロー』は、クライムサスペンス漫画として多くの読者を魅了していますが、その特徴は何でしょうか。ここでは、この漫画の特徴をいくつか紹介します。
- 緻密な筋書きとトリック:主人公の哲雄は推理小説オタクであり、殺人トリックや殺害方法に詳しいです。彼は半グレと対決する際に、自分の知識と工夫を駆使して緻密な筋書きとトリックを作り上げます。その筋書きとトリックは、読者にも予想できないほど巧妙であり、驚きや感心を誘います。
- 人間の心理と社会の闇:この漫画は、単なるアクションやサスペンスではなく、人間の心理や社会の闇を描いています。哲雄は娘を守るために殺人を犯しますが、その行為に罪悪感や苦悩を感じます。また、半グレやカルト教団のメンバーも、それぞれに過去や動機があり、一概に悪とは言えない複雑な人間性を持っています。この漫画は、善悪の境界線が曖昧な現代社会における生き方や生存権を問いかけています。
- グラフィックな描写とユーモア:この漫画は、殺人や暴力などのグラフィックな描写が多くあります。その描写は、読者に衝撃や恐怖を与えるだけでなく、現実の犯罪や社会問題への警鐘ともなっています。一方で、この漫画にはユーモアもあります。哲雄の平凡な日常や家族とのほのぼのしたシーン、哲雄が半グレと対決する際に見せるドジや失敗などが笑いを誘います。そのユーモアは、重苦しいストーリーに息抜きや明るさを与える効果があります。
感想
『マイホームヒーロー』は、クライムサスペンスの金字塔とも言える漫画だと思います。主人公の哲雄が半グレと対決していく過程は、予想を超える衝撃とスリルに満ちています。推理小説オタクの哲雄が、自分の知識と工夫で危機を乗り越えていく様は、読者の心を掴んで離しません。
この漫画の魅力は、単なるアクションやサスペンスではなく、人間の心理や社会の闇を描いていることだと思います。哲雄は娘を守るために殺人を犯しますが、その行為に罪悪感や苦悩を感じます。また、半グレやカルト教団のメンバーも、それぞれに過去や動機があり、一概に悪とは言えない複雑な人間性を持っています。この漫画は、善悪の境界線が曖昧な現代社会における生き方や生存権を問いかけています。
まとめ
『マイホームヒーロー』は、平凡なサラリーマンが娘を守るために犯罪組織と対決していくクライムサスペンス漫画です。推理小説オタクの主人公が、自分の知識と工夫で危機を乗り越えていく様は、予想を超える衝撃とスリルに満ちています。この漫画は、善悪の境界線が曖昧な現代社会における生き方や生存権を問いかけています。サスペンス好きなら絶対に読むべき作品です。
以上が『マイホームヒーロー』のあらすじと感想でした。この記事が漫画選びの参考になれば幸いです。それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。